isoi column家づくりコラム

壁内結露対策|原因と3つの対策を解説!結露による住宅被害を防ぐ

築年数が経つにつれて、住まいのあちこちで気になる「結露」。
特に、壁内部の結露は、住居の快適性だけでなく、健康や建物の寿命にも悪影響を及ぼす可能性があります。

□壁内結露とは?発生原因とその影響

壁内結露とは、壁の内部で発生する結露のことです。
湿った空気が壁の内部に入り込み、冷えた壁面に水滴となって付着する現象です。
放置すると、カビやダニの発生、建物の腐食、アレルギーや呼吸器系の健康被害など、様々な問題を引き起こす可能性があります。

 

1: 壁内結露が発生するメカニズム

 

壁内結露は、主に以下の3つの原因によって発生します。

 

・外部との温度差

冬場、室内の暖気を逃さないように窓や壁を断熱材で覆いますが、断熱材の性能が低い場合、外気の寒さが壁内部にまで伝わり、壁面が冷えてしまいます。
暖かい空気は水蒸気を多く含むため、冷えた壁面に接触すると水滴となって結露が発生します。

 

・不十分な換気

適切な換気が行われないと、室内の湿気が壁内にこもり、結露の原因となります。
特に、浴室やキッチンなど、水蒸気を多く発生させる場所では、十分な換気が不可欠です。

 

・断熱材の劣化

断熱材は経年劣化によって性能が低下し、外気の寒さを遮断できなくなります。
断熱材が劣化すると、壁内部の温度が下がりやすくなり、結露が発生しやすくなります。

 

2: 壁内結露による悪影響

 

壁内結露は、放置すると様々な悪影響を及ぼします。

 

・カビ・ダニの発生

壁内結露によって湿気が発生すると、カビやダニが発生しやすくなります。
カビやダニは、アレルギーや喘息などの呼吸器系の症状を引き起こす原因となります。

 

・建物の腐食

壁内結露によって木材や鉄筋が腐食し、建物の寿命が短くなってしまいます。
腐食が進行すると、建物の強度が低下し、倒壊の危険性も高まります。

 

3: 健康被害

 

カビやダニの発生によるアレルギーや喘息以外にも、壁内結露はシックハウス症候群の原因となることもあります。
シックハウス症候群は、建材から発生する化学物質によって引き起こされる健康被害です。
 

□壁内結露対策|3つの方法で快適な住環境を実現

壁内結露を防ぐには、住宅の断熱性と気密性を高めることが重要です。

ここでは、具体的な対策方法を3つ紹介します。

 

1: 防湿シートの施工

 

防湿シートは、断熱材の室内側に貼るシートのことです。

防湿シートを施工することで、室内の暖かい空気が壁の内側に入りにくくなり、結露の発生を抑制できます。

防湿シートには、ポリエチレンシートやプラスチックフィルムなど様々な種類があります。

防湿シートの施工は、専門業者に依頼することをおすすめします。

 

2: 通気層の設置

 

通気層とは、壁と外壁の間に設けられる空気の通り道のことです。

通気層を設けることで、壁内の湿気を外へ排出することができます。

また、外気と壁内の温度差を小さくすることで、結露の発生を抑える効果もあります。

通気層は、住宅の設計段階で設置することが一般的ですが、リフォームで設置することも可能です。

 

3: 外張り断熱工法

 

外張り断熱工法は、住宅の外側に断熱材を貼り付ける工法です。

外張り断熱工法では、壁内部に断熱材がないため、壁内部の温度が下がりにくく、結露が発生しにくくなります。

また、外張り断熱工法は、断熱性能が高く、省エネ効果も期待できます。

□まとめ

壁内結露は、住宅の快適性や健康、建物の寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。

壁内結露を防ぐには、住宅の断熱性と気密性を高めることが重要です。

防湿シートの施工、通気層の設置、外張り断熱工法など、適切な対策方法を選択することで、快適で安全な住環境を実現することができます。